2008年07月02日

ソックスの帳尻

銀行では、3時にシャッターがしまったあと、その日の金の出入りをとことん帳尻が合うまでチェックするのだと聞く。最後の1円まで計算が合わないと、銀行員さんたちは帰宅できないらしい。1円や2円計算が合わないだけだったら、自分の財布から出して、帳尻を合わせればよいではないかとも思えるが、たとえ金額が1円であっても、そこでちゃんとけじめをつけなければ、公私混同であることには変わりない。そうした行為を許すと、ひいては横領とか、架空名義口座とか、やってはいけないことへ道を開いてしまうことになるのかもしれない。
しかし、すごいと思うのは、1円まで帳尻を合わそうとして、毎日ちゃんと帳尻が合っているという、その事実である。朝起きて、テレビニュースで「横浜市の○○銀行は、昨日、入金と出金が一致しなかったため、やむをえず今日、業務を一日休むことになりました。お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解ください、とのことです」なんて報道がなされたことは、もちろんいまだかつてない。つまり、世の中の銀行員さんたちは、目をサラのようにして金の出入りをチェックし、最後の1円まで探す努力を、来る日も来る日もけなげに続けておられるのである。
ひるがえって、我が家の話であるが、ウチではよくソックスの片方がなくなる。おかしいじゃんか、ソックスに足が生えて歩き出すことはない、どっかにあるはずだと、目をサラのようにして引き出しやタンスの中を探すのであるが、出てこない。
先日、勘定してみたら、そういう相棒なしソックスが4つもあることに気付いた。これは世の銀行とは大違いである。いつ頃からこうしてソックスの帳尻があってない状態が続いていたのだろうか、と自分ながら情けなくなってしまった。東証一部上場の大企業である銀行は、毎日1円まで、帳尻を合わす努力をしている。他方、はるか零細なウチはなんと4足も靴下がミッシングであっても、さして気にとめるわけでもなく、何事もなかったかのように生活が続いている。これはまずい・・・なんとかしなくてはいけない・・・、と、早稲田のちょいわるオヤジは思い立ったのでありました。
で、ふと思いついて、きのう、洗濯機をよいしょと前の方へ移動し、その後ろになにか隠れてないかなと見てみたら、いました、いました、片割れソックスの相棒たち。ホコリにまみれて、「ああ、見つかっちゃったか」という感じで、次から次へと出てきたのであります。そうなんですね、ボクは洗濯物を洗濯機にいれるとき、遠くから放り入れるクセがあるんですね。それで、もしやと思い、調べてみたのでした。こうしてようやく、我が家のソックスの帳尻を合わせることに成功したのでした。(面白いことに、そこには4足の片割れソックス以外は何もなかった。なんなのだろうか、このソックスの逃亡癖は??)
考えてみれば、このソックスの帳尻合わせに、ボクはかなりの時間と労力を費やした。結構頭脳も使って、あそこではないか、ここではないか、と考えもした。
こうした苦労をしたくないとすれば、どうすればよいか、もちろんわかりますよね。
そう、それは、持っているソックスを全部同じもので揃えればよいのであります。そうすれば、ひとつやふたつなくなったって、なんということはありません。

2008年07月01日

一緒に食事することの意義

ボクの大学院の指導では、修士と博士の学生を合わせて、2コマ続けて授業をしている。今年は、2限と3限にやっているので、その間には昼休みが入るが、ボクらは、弁当を配達してもらって、一緒に食べることにしている。食事を一緒にすることで、研究室の中の連帯感が強まる感じがしてよい。勉強以外のことでも、会話ができる場がそこに出来上がるからである。
友人から聴いた話だが、日本のある有名な二枚目男優さんはけっして自分が食事しているところを他人に見せないのだそうである。ロケでもスタジオでも、どこへいっても食べるときは一人きり。スタッフや共演者とも一緒に食べることはしないし、もちろんマスメディアはシャットアウト。なぜかというと、食べるというのは、その方にとってプライベートな行為だからだそうである。ま、そういわれてみれば、むしゃむしゃと音をたてて食べるクセがあることやどのおかずを食べ残しているかがわかっちゃったりしたら、男優としてイメージダウンにつながる可能性がある。ましてや、ホウレン草が歯の間に挟まっているところを必死で取ろうとしている表情が画像で報じられたりしちゃったら(←別にホウレン草でなくてもよいけど)、取り返しがつかない。食べるという行為の中に、本当は他人に見せたくない要素がいろいろと入っていることは、確かである。
だから、人と一緒に食事をするということは、プライベートな空間を共有することで、その人と親しくなりたいというメッセージを送っていることを意味する。院生たちへの指導においても、同じ弁当を食べることで、場の雰囲気がなごんでいることは疑いない。
しばしば、デートが食事を介して行われるのも、やはりそうした食事の効用があってのことである。もちろん、食事を介したデートには、いろいろな段階というかハイラーキーがある。それゆえ、どういう食事をするかによって、どういうデートにしたいのかについての重要なメッセージを相手に伝えることができる。
たとえば、午後のコーヒー&デザートに誘われたということは、相手はまだまだ「様子見」を決め込んでいるだけだ、と思った方がよい。コーヒー&デザートは、たとえそのようなデートがあったとしても、あとから「そういうつもりじゃなかったの」と平気でいえるような、デートハイラーキーの最下層に位置する段階でしかない。コーヒー&デザートに誘われたくらいで、舞い上がることは禁物である。
おそらくもっとも重要なのは、ランチデートである。はじめてランチに誘われたなら、準備は周到を尽くさなければならない。そこでは相手から、将来発展する可能性があるかを終始真剣に「テスト」されている、と思った方がよい。その場の成績次第ではさらにディナーへと発展するかもしれない。成績が悪ければ、もちろんそうした展開はない。ランチに誘われて、いつまでたってもディナーに誘われなかったら、それは「不合格」をもらったと思って、あきらめるしかないのである。
では、ディナーを一緒にするというのはどうか。これはもう完全に「脈あり」である。すくなくともディナーに誘った側は、その気満々にまちがいない。だからこの場合、問題は受ける側である。その誘いを受けてしまったら、それはあとから「そういうつもりはなかったの」というわけにはいかないような、デートである。だから、ディナーとは、誘うよりも誘われる方が、大きな決断を迫られていると思った方がよい。
悲しいことに、デートのハイラーキーは、登っていくだけのものではない。ときおり「ディナー」から「ランチ」への格下げが起こる、ということもある。あれれ、この前はディナーを一緒にしたのに、などと思ってももう遅い。それは、もう二人の間には将来がなくなりました、というメッセージを送られていると解さなければならないのである。

2008年06月29日

ゼミ対抗フットサル大会

すこし前になるが、ゼミ対抗フットサル大会なるものが開催された。
場所は所沢。所沢ということころは都心から遠いと思っていたが、案外近いのである。高田馬場から指定席付の特急にのると30分もかからない。ボクは朝、横浜方面から向かったので、2時間ぐらい前に出たら、早く着きすぎて、駅のスタバでヒマをもてあましてしまった。
そのスタバからみていると、どうやら早稲田生らしい一群が次々と到着。われわれゼミのメンバーもだいたいそろったので、現地へ向かった。
われわれの面子は、飯田、今井、橘田、西山、古條、綿岡、それにボク。板村と日野が応援に駆けつけてくれた。3つのグループにわけ、それぞれ8試合まずやって、上位2チームが決勝トーナメントに進むという方式だった。
さて、最初の出番を待っていると、久米ゼミチームがボクのところへきて「先生、人数がまだそろわないので、出てください」という。その日は、日差しが強く暑かったので、あんまり最初から飛ばすと体力がなくなるのではないか、と心配だったが、本番の前のウォーミングアップのつもりで出た。試合には負けたが、久米先生に恩を売ることができた(←久米さん、忘れないように!)。
で、本当の最初の試合は、森ゼミチーム。ここには(後で名前が判明した)「ヒトミちゃん」という、女性ストライカーがいた。女性の得点は2点。われわれは、試合の最初の方でこのヒトミちゃんにゴールを決められ、リズムを崩した。次の試合は勝ったものの、それ以降も、この初戦敗戦のショックが尾を引き、結局予選突破は早々とあきらめなければならなくなった。
試合の合間の休憩時間には、いろいろ面白い光景を見た。ナチ(板村)は、体育会部所属からか、やはりこういう場では顔が広い。橘田という男は、知っているいないにかかわらず、次々からへと声をかけて、友人を増やしていくという稀有な才能を持っていることがわかった。古條は、われわれとよりも、知り合いの女の子と一緒にいることを好んでいて、西山や綿岡から、「ホント、チャライよな、あいつ」という顰蹙を買っていた。その古條の友人の「リエちゃん」という女の子とボクが仲良くしゃべっていると、彼はヤキモチを焼いていた。しかし、このときは、ボクが自分をさておき、ゼミ生でない学生としゃべっていることに、ヤキモチをやいているのだ、と解説していた。ま、それが本心かどうかはわからない・・・。
フットサル大会を主宰した吉野ゼミの幹事の学生は、背が高く、とても感じがよい好青年だった。ボクが参加したことを、感謝していた。ボクは自分がフットサルをしたいだけだったのだが、あとから聞いたら、ボクがいることで、たとえばその場で酒盛りが始まるというようなことがなく、場が締まっていたということだった。そんなことならお安い御用で、毎年参加したいと思う。
最終試合の相手は、田中愛治ゼミだった。ボクらはピッチで円陣を組んで、この一試合に持っている力を全部出し切ろうと誓って、のぞんだ。0-0のまま、半分が過ぎ、飯田と交代して、ボクに出番がまわってきた。ボクは右の前の方に張っていたら、そこに西山からの好パスが来た。それを振りぬいて、ゴール左隅に決勝点を決めた。
おかげさまで、とてもよい思いをさせてもらった一日となった。
チームメートのみなさん、関係者のみなさん、どうもありがとうございました。