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Larkin Poe

買い物には、いろいろパターンがある。
最近は、あまりやらなくなったが、昔はよく家の近くの古本屋巡りをした。別に当てがあって行くわけではなく、自分が読んでみたいなと思う本に出会えればよいかな、ぐらいの感覚で、半分は暇つぶしで行くようなものであった。だから、そういう場合、10回に9回ぐらいは何も買わないで帰ってきた。さすがにあとの1回は、「あんまり買わないで冷やかしばかりだと、店主によく思われないのではないか」などと気を回して、何か買って来るという感じだった。
このように書くと、買い物の規準がしっかりしているのか、と思われるかもしれないが、実はそんなことはない。
たとえば、同じ古本屋巡りでも、神保町へ行くのでは、パターンはまるっきり違う。電車賃を使ってわざわざ行くのであるから、そういう場合には何も買わないで帰宅するということは、ほとんどない。若干規準が甘くなり、あとになって「買わなくてもよかったかな」という本も買ってきてしまうことがままある。観光名所を訪れてお土産店へ入っちゃうと、なにかしら買うまではなかなか出られない、というのと同じパターンである。
服とか靴に関しては、あまり気を使わないせいか、そもそもそれほど頻繁に買いに行かない。しかし、何かの拍子で気に入ったのが目に付くと、結構衝動買いをする方だと自分で思う。で、思いのほか、衝動買いしたものは、あとになっても後悔することは少なく、長い間着ているものが多い。
音楽についても、ボクは衝動買いすることが多い。そして、たいていの場合、これまた後悔したことがない。
前に、函館にマウンテンブックスという、ボクらのお気に入りのカフェがあった(残念ながら今は閉店してしまった)。そこにはじめて連れて行ってもらった時、かかっていた音楽が素晴らしいものだったので、店員さんになんという人の曲ですか、と尋ねたら、Kate Walshという人のTims Houseというアルバムの中のYour Songという曲だ、と教えてくれた。そしたら、ボクの妻がそれをちゃんとメモしてくれておいて、何かの折にそのアルバムをボクにプレゼントしてくれた。いまでも、心を沈静化するために、よく聴いている。
さて、つい最近に衝動買いしたのは、Larkin Poeというグループである。若い女性二人のボーカルに、バックバンドがつき、カントリー・ブルースの素晴らしいコーラスと演奏を聴かせくれる。先日出張先のトロントで、娘のショッピングに付き合っていた時のこと、Anthropologieという店で、このグループのSea Songという曲がかかっていた(これも店員さんに尋ねて教えてもらった)。それでボクはいっぺんにファンになって、帰国するなり、この曲の入っているCD4枚組を注文してしまった。アマゾンという、本当に便利なものができたものだ。
今では、7ヶ月になるボクらの息子にも、彼女たちの唄を聴かせています。以下のYouTubeは、二人の魅力が本当によく伝わると思うんで、みなさんも、よかったら一度聴いてみて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=DHxUWaC-c3M
(なお、バンド名は奇妙ですが、二人の姉妹がエドガー・アラン・ポーの子孫なのだそうです。)