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卒業おめでとう 2013

河野ゼミ9期のみなさん、卒業おめでとう。

君たちが社会人として世に飛び出していくことを、とても嬉しく思います。
君たちの代は、8期の先輩たち、後輩の10期からもうらやましがられるほど、みな仲が良くて団結していたね。だから、ボクとしても、ごそっと、大きな塊のようなものが自分の中から抜け落ちていくかのような、自分の生活から消えていくかのような感じがして、とても寂しいです。これからは、ひとりひとり、それぞれのポジションで、また違う大きな塊を作り、これまでと変わりなく輝いていって下さい。

素晴らしい追いコンの席で、時間がなくてあまりしゃべれませんでしたが、時間があったら、こういうことを言おうと思っていました。ボクは、高校時代、自分が応募したわけではないサマーキャンプにいき、そこで高校留学を突然決意することになった。大学時代、バックパックのひとり旅をしているとき、海外の大学で教えているあるとても素敵な日本語の先生に出会って、そうか別に日本で就職しなくてもいいんだ、ということに気づかされた。イェールに国際関係論の修士号を取りにいったときは、国際公務員にでもなれればいいやと思っていた。ところが、たまたま自分の書いた論文が一流学術誌に掲載されることとなり、研究者としてやっていけるかなと思うようになった。....そして....と続き、まさか50歳を過ぎて、もういちど父親になるとは、思いもよらなかった。

つまり、だね、人生なんて、いくら計画しようと思ったって、その通りには行かない。想定外の出来事がおとずれ、思いもよらぬチャンスに恵まれ、それが人生の方向を決めていくもの、そう考えるべきなんじゃないかね。
しかし、重要なことは、その突然やってくる未知との遭遇のさいに、自分が正しいと思う方向を選べるかどうか、いやどれが正しい選択なのかを感じ取ることができるかどうか、だと思う。そのためには、普段から、さまざまなことに興味をもち、違う人の意見に耳をかたむけ、理性と直感を磨いていくしかない。いつも自分と同じような趣味や考え方の人とだけ付き合ってはいけない。まったく違う背景をもった人との出会いを大事にして、それを自分を見つめ直す鏡にし、いろいろなことに思いをめぐらすことを一瞬たりとも停止させることなく、これからの人生を切り拓いていってください。

河野ゼミ9期の、素晴らしい人生に、乾杯!