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日本人にいまできることは何か

[フジテレビCompassサイトにおける「日本人にいまできることは何か」という質問に対するボクの回答を、そのまま転載させていただきます]

近代国家としての日本をはじめて襲った何百年に一度という大規模な震災・津波による被害であるからには、国民的叡智を結集し、先例や経験にとらわれない、大胆、斬新、かつ綿密な地域復興計画と日本経済全体の今後の指針を練る必要がある。
とくに以下の4つを提案したい。

1)復興のための基盤となる広域行政が展開できる態勢を整え
ることが、最大急務の課題である。被災した市町村だけでなく
、県レベルでの合併をも積極的に推進して、道路、港湾、空港
などのインフラ整備をすすめ、産業再建を計画的に実行してい
くべきであると考える。

2)今回、福島の原子力発電所で起こったさまざまな事故が、
これまでの日本の原子力政策に対する信頼を大きく傷づけるも
のであったことは否定できない。電力供給の3分の1を原子力
発電に依存する状況を将来も続けていくべきと考えるか、それ
とも現在行われている節電・計画停電が恒久化する程度にまで
電力供給を下げた状態での国民生活のあり方をあらためて模索
すべきかを、一度国民投票にかけて、信を問うべきであると考
える。

3)長引く余震や流通・交通の不便、またとりわけ原子力発電
所の事故の発生にともない、在留外国人・外国法人が国外へ逃
避していること(あるいは海外からの観光客が激減しているこ
と)は、日本経済の根幹を揺るがしている。政府が正確な情報
開示と情報提供を行うことはいうまでもないが、国際経済活動
から取り残されないよう、日本のもつ貿易、金融、技術上の長
所とメリットを政府が積極的に海外へ発信するための総合的な
「新しい産業政策」を策定すべきである。

4)冒頭に述べたように、今回の危機を乗り切るためには、国
民的叡智の結集を必要とする。復興のための計画および日本経
済の指針を練るため、国会が発議し、各界を代表する100人程
度の「国民会議」を招集して、今年夏頃までに答申を得るよう
にすべきである。