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続 拝啓 枝野官房長官さま 

僭越ですが、あなたの記者会見の仕方と政府の危機管理について、何点か愚見を申し上げます。

1.記者会見は、定期的に行うことが望ましいです。今回のような重大な危機の場合は、1時間ごとに行うことが望ましいと思います。発表することがなくても行うことで、聴いている国民は「この一時間の間には発表するに値することがないんだ」ということがわかり、安心します。記者会見のタイミングを政府の側が勝手に決めるのでは、そのこと自体で情報の操作が行われている、という印象を与えます。

2.あなただけが記者会見を行うべきではありません。あなたと副官房長官が交代で行うべきです。「ずっとがんばってるけど、寝不足で倒れちゃうんじゃないの」という懸念を与えることはよくありません。聴いている国民は、自分の健康管理ができないものに、国家の危機管理ができるとは絶対に思いません。また、危機管理に関する情報開示が特定の個人の依存せず、政府というシステムとして機能していることを見せることも、非常に重要なことだと思います。

3.記者会見は、短く行うべきです。あなたは、ほかにもフォローすべきニュースがあるのですから、10分と限って行うべきです。

4.事実関係を正確にわかりやすく述べるようにし、「相当な」とか「若干の」とか、意味のない形容詞は使うべきではありません。聴いている方に、さまざまな解釈の余地を与えるような会見をするのであれば、情報開示をしていないのとまったく同じことです。

4.自分たちは「一生懸命やっている」とか「最大限努力している」ということは、会見で繰り返しいうべきではありません。そんなことは、国民は、当たり前だと思って聴いています。

5.菅首相が東京電力に対し、「連絡が遅い」と怒ったそうですが、これは、政府の危機管理能力の欠如を公表する以外のなにものでなく、そのことだけでも政府の危機管理として好ましくありません。菅さんは「連絡が遅い」ことが、まるで東京電力の責任だったかのような印象を与えていますが、東京電力に情報開示をさせることができないのは、ほかでもない政府の責任なのです。誤解しないでください。