ラーメン隊
われらがラーメン隊を結成した。
・・・というと、若干語弊があり、すでに結成されていたラーメン隊にボクが加わったという方が正確である。隊のオリジナルなメンバーは、早稲田の同僚のH先生と、H先生がかつて同僚だったI先生。I先生はこのところ何年か早稲田に非常勤で来てくれていて、二人ですでに界隈のラーメン店をいろいろ探索していたのだそうで、それを聞きつけてボクが便乗したいとお願いしたのである。
はっきりいって、このHとI両先生は、ボクよりもはるかに若い。そんでもって、この二人はどちらもイケメンで、いつもファッションが決まっている。
そんな中、ちょっと先輩格にあたりジーンズしか履かないボクが加わるのを、彼らは本音では「やりにくくなったな」などと思っているのかもしれない。
しかし、そんなことを気にしていたら、おいしいラーメンにはありつけない。ラーメンに、歳は関係ないのである。ましてや、イケメンもファッションも関係ないのである。ラーメンをすするときは、美男美女であろうが、誰だって「ズズーッ」とすするものなのである。そして、ラーメン店の暖簾をくぐるときに、アルマーニを着ていったからって、順番を先にしてくれることなどありえないのである。
われらがラーメン隊の第一回遠征は、12月28日昼に決行されることになった。ウキウキ、うん、明日は朝食を抜いていこう、うん、一軒だけでまずかったら嫌だから、ま、2軒は行かないとな、ウキウキ、などと一人ではしゃいでいると、前日、律儀なH先生からメールが送られてきた。
《前もって、河野先生の好みを「測定」すべく、以下のごく簡単な質問にお答えください》。
さすがは、世論調査を専門にしているH先生である。この「測定」ってところが、まさに社会科学になっている。
《次にあげるリストの中から、行ったことのあるお店のみを美味しいと感じた順番に並べかえてください。○メルシー(早稲田高校の向かい)○武道家(早稲田駅出口横)○ほずみ(南門通り)○一風堂(早稲田通り沿い)○天下一品(早稲田通り沿い)○麺屋KAZU(大隈通り商店街)○えぞ菊(早稲田通り沿い) ○七福家(早稲田駅エレベータ出口横)》
すごい。この用意周到さ。おいしいラーメンをたべることへのこだわり。先輩格のボクをたてようとする心配り。いやー、これは本当にすごい。明日のラーメン隊への期待が一気に膨らむ・・・。
というわけで、12時に教員室に集合。高田馬場方面に向かって歩き始めました。一軒目は、明治通りをすぎたあたりのちょっと隠れ家的な店。魚介系スープだが、コクがありうまかった。店を出た後、「残ったスープがちょっとこってりし過ぎてたかな」といったら、I先生がすかさず「それはですね、ネギを最後まで残しておくんです。すると、ネギがうまい具合にスープをすって、なじんで、うまかったですよ」と言っていた。なるほど、ボクのネギ消費に計画性が足りなかったのか、と反省した。二軒目は、高田馬場を過ぎたところの塩ラーメンの店。ちょっとあっさり過ぎたかな、と思ったが、「グデングデンに酔っぱらったあとだったら、おいしいかもね」ということで、3人の意見はみごとに一致しました。