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2009年06月21日

ソフトクリームの世代論

はじめてソフトクリームを食べたのは、まだ小学生の時であった。
今でもよく覚えているが、ある日突然、ボクの住んでいた日吉(東急東横線沿い)の駅を降り立ったすぐ目の前に、ソフトクリームを売る店が登場した。いまちょうど文明堂の売店があるあたりである。ボクをはじめとして、当時遊び盛りの日吉のガキンチョたちは、「なんだ、なんだ」という感じで、最初遠巻きに、その店を眺めていた。そのうち、大人たちがおいしそうに、そこでソフトクリームを買って食べているのをみて、食べたくなった。それで、親にねだって買ってもらった。それが最初であった。
たしか、当初その店で売っていたソフトクリームの種類は、バニラしかなかった。そのあと、チョコレートとバニラのミックスが出て、それから薄ピンク色のストロベリーも出た(と記憶している)。ボクのお気に入りは、なんといってもチョコレートとバニラのミックスであった。
ソフトクリームは、当時の日本では贅沢品であった。その当時ボクらガキンチョがふつう食べていたのは、定価30円とか50円とかの、カップに入ったアイスクリームであった。お小遣いが少ない時は、定価10円とかのアイスキャンディーで我慢した。
しかし、ソフトクリームは、当時150円とか、桁外れの値段がした。だから、もちろんそう頻繁には食べられない。ソフトクリームを食べるのは、なにか特別なときだったのである。
ソフトクリームはすぐにとけてしまうので、そのまま立って食べたり、歩きながら食べたりしなければならない。ところが、当時ソフトクリームはまだ身近な商品ではなかったので、大人たちの食べ方は、みなどことなくぎこちなかった。実際、ボクの父親などは、立ってそのまま食べるのは「はしたない」ということで、挑戦しようともしなかった。しかし、ボクらガキンチョはそんなのは平気なやんちゃ少年少女で、みな、あんぐりと口をあけ、ぺろぺろと舌を出し、くるくるとコーンを回しながら食べた。
考えてみれば、ボクの父親の世代は、彼らが子供の時にソフトクリームを食べたことがないので、一生ソフトクリームの食べ方がぎこちないままで終わった世代であった。そこへいくと、ボクらの世代は、日本でソフトクリームの食べ方を子供の時に身につけた、最初の世代である。ソフトクリームを食べることに関しては、パイオニア、ないし草分け的存在なのである。
ボクは、いまでも週一回、ソフトクリームを食べることにしている。それは、毎週土曜日、テニスへ行く前に、エネルギー補給と称して、食べるのである。
テニスコートの近くのフードコートで買って、そのまま食べながらコートまで歩いていく。自分のような中年のオヤジでも、ソフトクリームを食べて歩いていると、子供の時のあのやんちゃな気分に戻ることができる。だから、まわりを歩いている同世代の人たちに対してこれみよがしに、「ほらほら、オレ、まだこんなにやんちゃなんだぜ、若いんだぜ」と、いうシグナルを送りながら歩く。ソフトクリームを食べて歩いていると、ボクよりもはるかに若い人からも、羨望の視線を浴びる。一番うれしいのは、こっちを見た子供たちが「あ、ボクもたべたーい」と親にねだっている声が、どこからかきこえてくるときである。

2009年06月14日

合宿2009のメークドラマ

今年初めての合宿を2泊3日で行った。場所は、菅平。春季の合宿の目的はただひとつで、それは親睦を深めることである。1時間半の勉強時間を除いて、あとは全部スポーツとリクリエーション。とっても楽しかったし、今回もよく身体を動かした。
親睦を深めるという点では、もう最初の晩から大成功であった。ボクは12時過ぎに寝たが、学生たちの宴会はもっと遅くまで続いていた。明け方4時ぐらいまで飲んでいた人たちもいるらしい。おかげで、次の日は3年と4年の隔てなく、みんなしゃべるようになっていたし、結構本当の「キャラ」が露呈し始めた。ところが、遅くまで飲んでいたせいか、翌朝6時起床の恒例ジョギングに誰も3年生が参加しなかったのは、残念だった。秋の合宿では、ボクがたたき起こして、今回酔いつぶれた西海君とか、どうみても朝に弱そうな中村君あたりを連れ出してやろうかと思っている。
さてその午前中は、米森君と水野君とのキャッチボールからはじまった。両方とも野球経験者で、彼らのボールをグローブで「パーン」と受けるだけで気持ちよかった。つづいてソフトボール。みかけによらず渡具知さんが打つのも守るのもうまいので、みんなびっくりしていた。ボクは、3年生チームのピッチャーをやらしてもらった。結構バカスカ打たれたが、最後ウチのチームが粘って引き分けまでもっていって、負け投手ではなくなった。
その後、サッカー。15分ハーフで、女子がゴールしたら2点というルールであった。前半は、チームワークがかみ合った4年生チームのペースだった。しかし、予想通り、4年生チームは体力が全然続かない。それで、後半は木島君や仲宗根君らが自由に動くようになって、大反撃に転じた。残り5分、右に走っていたボクにいいパスがきたので、それをボックスに蹴りこんだ。シュートとしては外れたが、そこに森本さんがいて、うまく決めて2点ゴール。これで同点に追いついた。ところが、そのあと、すぐに4年の清水さんに決められ、またまた2点差をつけられた。このまま彼女が今日のヒロインになるのか、と思われた。しかしですね、ここからさらなるドラマが始まったのでありました。残り1分。まず、水野君が華麗なドリブルで持ち込んでゴール。これで一点差、女子が入れたら逆転である。残りは15秒。「まだまだ」とチームを鼓舞して、みんな前がかりに攻め上げる。そしたら、ゴール前に張っていた「もぎちゃん」こと大野さんにパスがつながり、彼女が期待に応えて逆転2点シュート。そこで試合終了。いやー、素晴らしかった。なかなか感動した。
午後は、体育館に移動して、バレーボール、バトミントン、ドッジボールをやった。ここでも、全体的には、3年生が4年生を圧倒していたようにみえた。4年生は、体力の衰え、というよりも、世代が交代していくことの寂しさのようなものを実感しているようであった。
夜は、花火、ゲーム、そしてみんなで「日本vsウズベキスタン」の試合を応援しながらの宴会ということになった。傍らで、ボクは「ラヴ・ジェンガ」にも加わった。そのとき、「初恋について語れ」という札を引いて語った保田さんのスキー場での逸話は、とってもロマンチックだった。ボクは、「駄洒落を言え」というのを引いてしまって、なにも思いつかなくて、「佐藤麻由さんの眉毛」といった。そしたら、佐藤さんを含め、みんなから白い目で見られてしまった。すみません、次回まで、もっと勉強していろいろネタを仕込んでおきます。
合宿中に吉村君が誕生日を向かえ、みんなでお祝いできたのもよかった。おめでとう。
合宿係の酒嶋君、企画係の荻井さん、本当にご苦労さまでした。You both did a wonderful job!