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オリジナルはベストか

今日、いつものように、朝、いきつけのコーヒーショップで勉強していたら、昔よく聴いたジョージ・ハリスンの名曲を誰かがアレンジしなおしたのが流れてきた。あ、これ、All Things Must Passだ、そう思った瞬間、ショップのお姉さんと目が合ってしまって、「知ってる、この曲?もとはジョージ・ハリスンの唄だったんだよ」といった。
すると、彼女、「ジョージ・ハリスンって誰ですか?」。
ガーン、ショック・・・。そうか、いまの若いひとは、ジョージ・ハリスンを知らないのかぁ、SMAPのメンバーの名前は全員言えても(←ボクは言えない)、ビートルズの4人が誰かは知らないんだ・・・。
「ええと、ジョージ・ハリスンはねぇ・・・、ビートルズが解散するとすぐ、3枚組みのアルバムを出してね、それがAll Things Must Passっていうアルバムで、さっきのはそのタイトルソングだったんだよ・・・」と、親切に説明しようかと思ったけど、面倒くさくなって、やめた。
相手が同年代だと、「ジョージ・ハリスンって、ほら、パティ・ボイドと結婚して、でも彼女をエリック・クラプトンに寝取られちゃった人」というと、たいていウケるわけだが、そんなこといったって、通じるわけがない。
家に戻って、ジョージの唄が懐かしくなってしまい、いろいろ、you-tubeで探してみた。そうそう、バングラデシュ救済コンサートの中で、いくつか、いまでは考えられないような共演があったっけと思い出し、それを中心に、サーチをかけた。
そしたら、ある、ある、珠玉の名演がちゃんと、見られるのである。
知っている人は知っている通り、このコンサートには、リンゴ・スター、エリック・クラプトン、ボブ・ディランなど、そうそうたるジョージの友人たちが、無報酬で参加している。で、それぞれのもとの持ち歌とは全然ちがうライブテイクが聴けるのである。
まず、Here Comes the Sun。これは、アコースティックギターで、ジョージが弾き語りするもの。これは、掛け値なしに、素晴らしい。「アビーロード」に入っているオリジナルよりも、こっちの方が全然ロマンチックである。
それから、ジョージとディランとレオン・ラッセルによる共演で、Just Like a Woman。ボクは、「偉大なる復活(Before the Flood)」の、ギター一本(プラスハーモニカ)のバージョンも大好きだが、もう何十年ぶりにこの3人の共演バージョンを聴いて、これもいいなあ、とあらためて思った。ボブ・ディランの凄いところは、この唄に限らず、どの唄も、バージョンによって、まったく違う唄になっちゃうというところ。彼の場合、オリジナルよりも、こうしたライブの方が、圧倒的に魅力的である。
ボブ・ディランとジョージは、If Not For Youでも共演している。これは、もともとは、ジョージがディランに送った曲だったと思う。しかし、これに関しては、ボクはジョージの3枚組の中のバージョンの方が好きである。
・・・というわけで、結論をいうと、オリジナルは、必ずしもベストではない。後から作られたリメイクの方が、いい場合もあるし、そっちの方が有名になることもある。
さて、ひとしきり、昔聴いた音楽を何十年ぶりかに聴いたあとで、まさかないだろう、と思ったが、もしや、と思い、オードリー・ヘップバーンが映画「ティファニーで朝食を」の中で唄う「ムーン・リヴァー」をサーチしてみた。そしたら、ジャジャジャーァン、ちゃんとありました。もう、この曲に限っては、誰がなんと言おうと、このオリジナルがベストです、はい。みなさんも、彼女の美しさとイノセントな唄声に、どうか魅せられてください。