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Erin Burnettさんと、彼女にはるか及ばない人たちの話

アメリカの三大ネットワークのひとつNBCが毎週(現地時間で)日曜日の朝にやっているMeet the Pressという伝統ある番組がある。ボクはこれを欠かさずポッドキャストで見るようにしているのだが、去年の暮れからそのアンカーが政治記者出身のDavid Gregory氏に代わった。ボクの印象では、一生懸命さが前に出すぎて、早口だし、新聞からの引用が多すぎるし(どういうわけかその引用を読むときにいつもカムし)、質問の内容が抽象的すぎるし、一般の人々にはわかりにくくなってしまったのではないか、という気がする。ま、引き継いでからまだ間もないので、ちょっと長い目でみてあげよう、と思っているのだが、今日のお話は、この人ではなく、最近この番組によく登場するErin Burnettという方のこと。この方、経済についての討論になると出演するのであるが、聡明で、ハキハキしていて、コメントのバランスが取れていて、しかもとっても美人で、いまちょっと気になる存在である。おそらくボクの考えでは、アンカー自身が若返ったので、登場するコメンテーターも若い人を起用しようという局としての方針なのだと思うが、Burnett氏の起用は大成功だと思う。
この方、まだ30代そこそこなのに、どうやら他に二つほど、CNBCの方で自分がキャスターをつとめる番組をもっているらしい。メディア界に転身する前は金融機関につとめていた経験もあり、だから経済全般の最新情報に明るく、しかもひとつひとつのニュースに対する自分の理解の仕方みたいなものをもっていて、それを分かりやすく伝えてくれる。もちろん、彼女はこの番組ではあくまで脇役でしかない。しかし、ちゃんとそれを心得ていて、その役を忠実に演じている。
新米アンカーであるGregory氏にしてみれば、同じネットワークの中で働く彼女は心強い存在であろう。Meet the Pressの討論部分は、だいたいいつも4人ぐらいのゲストが呼ばれるのだが、その中でBurnett氏はいってみれば身内のコメンテーターである。だから、困ったら彼女にふればなんとかなる、という感じなのである。そして、実際のところ、どのような場面で話をふっても、Burnett氏はたいていうまく対応している。本当にすばらしい。彼女は最初からキャスターを目指していたわけでもなんでもないらしいが、おそらく、今後さらに立派なキャスターとして成長していくと思う。
さて、ひるがえって日本では、経験も実力もプロとしての自覚もない人たちが、報道関係に多すぎるような気がする。なんで酔っ払い中川と一緒に食事をしていた「美人」記者さんは、ダンマリを決め込んで、そのことを記事にしようとしないのか。よくそれで平気で給料もらっているよな、といいたくなる。あるいは大学を卒業したばかりのズブの素人が、なんでいきなりプライムタイムのニュース番組に登場できちゃうんだろうか。視聴者をなめているのか、といいたくなる。一般に女子アナには大学のミスキャンパスコンテストなどというものに躊躇なく出場しちゃうような人が多いが、どうして報道にたずさわる者としてそのような悪趣味の人たちを適格と判断し採用できるのか、ボクには不思議でしょうがない。
こんな状況では、Burnettさんにはとうてい及びもつかないし、世界に通用するジャーナリストは絶対育つわけがないと、確信してしまうのである。