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知っているようで知らないアメリカ建国の話シリーズその①~ワシントンはいつ大統領になったか~

クイズです。アメリカの初代大統領は、誰だったでしょうか?
カンタン、カンタン、答えは、日本の中学生でも知っていますね。
そう、ジョージ・ワシントン。アメリカ史上、もっとも偉大で尊敬されている人物。いまでは、州や首都にその名前が使われている。
桜の木を切っちゃったという、あの有名な逸話は、どうも疑わしいらしいけど・・・。
では、続けてクイズ。
アメリカが独立したのは、何年だったでしょう?
この答えも、高校で世界史を勉強した人なら、知っていますね。
そう、1776年。イギリスとの独立戦争に勝ち、ワシントンと並ぶ建国の父トマス・ジェファーソンが起草した独立宣言を、13の旧植民地が一致して採択した。それが7月4日だったので、アメリカではこの日を独立記念日として、毎年それを盛大に祝うパーティや催しものが開かれる。
では、最後にもう一問。
ワシントンが、アメリカの初代大統領になったのは、何年でしょう?
「うん? 1776年ではないの?」
ちがいます。よーく、考えてください。
1776年に独立したのは、ヴァージニアとか、ペンシルヴァニアとか、ニューヨークとか、13の旧植民地だったのでしたね。それらは、それぞれstateとして呼ばれていた。現代風に考えると、13の国家がそれぞれ独立したようなものである。つまり、この時点では、アメリカ合衆国という、いまの形体のアメリカはまだ存在しなかった。実は、独立のための戦争は、1776年後も、まだ5年ぐらい続く。そして、13の新たに独立した州は、そのあとも「連合規約」というものによって、ゆるやかに結ばれているに過ぎなかったのです。
だから、ワシントンがアメリカの初代大統領になるのは、もっとずっと後のこと。
それは、正確には1789年。その年の4月30日、ワシントンは、ニューヨークで就任宣誓式を行ったとされている。
「うん? 1789年?その年、アメリカではいったい何が起こっていたんだっけ?その年が重要だなんて、世界史で習わなかったぞ。いやまてよ、1789年というと、フランス革命が起こった年だぞ・・・。これって、何か関係あるわけ?・・・」
もちろんあるわけ。
おおありなわけ。
でも、それはおいおい、ゆっくりと語っていきましょう。

アメリカの建国の歴史は、とてつもなく興味深いエピソードに充ちみちている。
それらのいくつかを、この場を借りてシリーズで紹介していくことにしたい(←なんかこのブログとしての性格を大きく逸脱しているなあ)。もしかしたら、アメリカ史の専門家のみなさんからは「そんなこと全~部知っているって」というブーイングが来そうであるが、でもいまボクにとってそれが興味あることなのだから許してください。

さて、最後も、クイズで終わりましょう。
初代大統領となるための就任宣誓式は、なぜニューヨークで行われたのか?
「うん? アメリカの首都は、ワシントンDCじゃなかったっけ?」
ふふふ、答えは次回までのお楽しみ、ということで・・・