朝からRock
先日、夏休み中ずっとご無沙汰していたキャンパスのCafé 125にいった。
朝9時前で、朝食を食べそこなっていたので、チキンとナチュラルチーズのべーグルサンドイッチを食べようと入っていった。そしたら、大音量で、ロックのライブがかかっている。観客、じゃなかった、お客さんはまだだれもいない。
ここの女性の店長さんは、とっても感じのよい人である。いつもスタッフ不足に悩まされながら、朝から夜まで長時間本当によく働いて、それでいて常に明るく、ポジティヴなところがボクは大好きである。
「ご無沙汰でしたぁ、夏休みはどうでしたか・・・」ってな感じの、月並みな挨拶を交わす。べーグルが焼けるまでしばらく世間話。で、そのあと、どうしても気になってしまって、これ何でしたっけと、かかっている音楽のことを聴いた。
それはエリック・クラプトンのOne More Car, One More Riderだった。2001年のツアーのいいとこどりをしたようなアルバムだという。そういえば、間違いなく、クラプトンのギターとヴォーカルである。
「朝から、ロック!って感じで」と、店長さんがすこし顔を赤らめる。
あまりの大音響で自分の趣味の音楽をかけているところを見られたのが恥ずかしかったのかもしれないし、ロックを聴いて自分を元気付けているところをみつかっちゃったのが恥ずかしかったのかもしれない。いいじゃないすか、朝からロックで・・・
と、そのとき、突然クラプトンが「Over the Rainbow」をアンコールに歌い始めた。これがとても心に沁みた。
「いいすねこれ。ボク今日、これ買って帰ります。」
で、大学からの帰り道、高田馬場駅前の店で、このアルバムを買った。
クラプトンは、このライブの中で、新旧の名曲をとりまぜて、ストレートな演奏と歌を聴かせてくれる。無駄なおしゃべりや演出はまったくなし。この人らしい。さらにこのアルバムでは、クラプトンは、一曲おわるごとに、thank youと、観客に丁寧にお礼をいっていた。その言い方が、この人の実直さと、それからこの人の余裕とでもいうものを伝えている気がした。
ロックは、やっぱりカッコイイ。Key to the Highwayとか、Sunshine of Your Loveとか、Wonderful Tonightとか聴いちゃったら、やっぱりそういわなきゃしょうがないっしょ!
たまには、朝からロックを聴くものである。
それは、中学や高校時代の生意気なエネルギーを呼びさます。
それは、日常や他人や友人のことさえまったく気にもとめず、一日中音楽ばかり聴く生活があったことを思い出させる。
そして、それは、前へ前へと行けばいいんだよ、とボクらをけしかけてくれるのである。