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早大正門行きのバス

朝、高田馬場から早大正門行きのバスを利用することがある。
ボクは、この経路で通勤することが、最近とても気に入っている。
これから梅雨に入るが、天気の悪い日には、雨の中を歩く距離をなるべく短くしたいと思うので、大学の正門の直ぐ前まで連れて行ってもらえるのは、とてもありがたい。
一方、天気の良い日にバスに乗るのも、もちろん気分がよい。地下鉄ではなく、地上を走るバスを利用して、明るい外をボンヤリと眺めていると、リラックスできる。たいてい、ボクは、一番後ろの左側の窓際の席にすわって、立ち並ぶラーメン店や古本屋、「馬場歩き」をしている早大生たちのファッションなどを何の気なしに観ている。ときどき、その中にひときわ背の高い飯島先生を発見して、びっくりすることもある(彼にいわせると「馬場歩き」だけが、いまの彼にとっての唯一の運動なのだそうである)。
バスに乗り合わせると、地下鉄や電車とは違った空気が流れている。うまく言えないが、それは、アットホームな、ほのぼのした空気である。バスの空間は狭いので、人と人との距離が近い。揺れるし、込んでいるとすぐぶつかったりしてしまう。しかし、そのように狭い分、バスに乗り合わせると、知らず知らずのうちに、人は誰しも、同乗者に対して気を使うようになるのだと思う。そして、席とかスペースとかの譲り合いが自然に起こっているような気がする。
このバスに乗り合わせる人のほとんどが、早稲田の関係者である、というところも、バスの中に暖かい空気を生んでいる。基本的に、地下鉄や電車の中には、冷たい他人の関係しか存在しない。しかし、このバスに乗り合わせる人々は、早稲田へ行くという共通の目的で、すでに縁のつながっている人々なのである。狭い中に、同じ目的を持っている人が集まる空間というのは、まちがいなく、コミュニケーションが成立しやすい空間である。だから、バスに乗ると、意識するわけでもないのに、目が知り合いの先生や学生がいないかなと探していることに気付く。久しぶりに再会したらしい学生同士が、今日は何の授業をサボルつもりなのかなどと話しているのを聞くと、こちらも、まさかオレの授業のことを話しているんじゃないだろうな、などとつい聞き耳を立ててしまう。バスの中では、ボクは知らなくても、ボクのことを知っている学生が乗っているかもしれないという意識も働いて、チラチラと横目でボクの方をみている学生がいても、嫌な気分がしない。ただ、ボクとしては、(エヘン)若い格好しかしないので、うまく周りの学生に紛れ込んでいるつもりなんだけどね。
ところで、高田馬場駅でこのバスに乗ろうとすると、とっても快活な女性が、乗り場を仕切っている。「ハイ、それでは、発車しまーす。お待たせしましたー、後ろオーライ!」この声を聞くと、とっても元気になる。というか、そうだ、ボクも今日一日、元気いっぱいで仕事をしなきゃ、という気分にさせられるのである。