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スターバックスのマフィン

ボクは、カナダのバンクーバーをよく訪れるのであるが、そこでの朝食は、たいていスターバックスで、と決まっている。バンクーバーは、スターバックスの発祥地であるシアトルから近く、ロブソン通りの第1号店をはじめとして、本当にたくさんの店が展開している。石を投げればスタバに当たる、犬も歩けばスタバに当たる、すべての道はスタバに通じる、渡りに船ならぬ渡りにスタバ…、まさにそんな感じである。
一般に、北米のスターバックスは、日本のスターバックスよりも、ペイストリー系メニューが充実していて、いろいろな種類のマフィンやスコーン、ケーキなどがおいてある。ところが、ですね、すべてのスタバがすべて同じメニューかというと、そんなことはけっしてないんですね。ボクのお気に入りのマフィンは、Low-fat Banana Wild Blueberry Muffin with Soy Milkという舌を噛みそうになるくらい長い名前なんだけど、バンクーバーでも、これを置いてあるところとないところがある。行き当たりばったりに入った店で、ウィンドーを見わたし、このマフィンがおいてないとがっかりする。で、そこでは、コーヒーだけ買って、行き着けの違う店に、わざわざこのマフィンを買いに行ったりしたこともある。このマフィンは人気があって結構早く売り切れてしまうので、一軒、二軒と、なんと「スタバのハシゴ」までして、このマフィンを探したことさえある。ホント、それほど、おいしいんですね。
さて、このマフィン、名前があまりにも長いので、日本人のボクには注文するのが結構大変である。最初の頃は、律儀に「ロゥファットバナナワイルドブルーベリーマフィンウィズソイミルク、プリーズ」と全部いっていた。いっぺんにいおうとすると、絶対どこかでつまる。朝の混雑時には、後ろにお客さんがずらりと並んでいるから、ついあせる。で、あせればあせるほど、つまっちゃって、何度も言い直さなければならない。ところが、次第に、店員さんたちがこのマフィンの名前を縮めて、呼んでいるのに気がついたのですね。店員さんたちだって、こんな長い名前をいちいち全部復唱していたら、時間がかかってしょうがない。で、ボクの観察では、その省略の仕方には、いろいろなパターンがあることがわかった。「バナナブルーベリーウィズソイ」がまあ一番一般的なんだけど、「バナナウィズソイ」とか「ロゥファットバナナ」だけの人もいる。
というわけで、それ以来、ボクも省略形でこのマフィンを呼ぶことにしている。一時期は、毎回違う省略形のパターンを使ってみて、どこまで省略したら店員さんに通じなくなるかを試すというのが、ボクの中で朝のひとつのエンターテイメントであったこともあった。ボクの経験からすると、「バナナブルーベリー」や、「ロゥファットブルーベリー」は、ぜんぜん通じる。「ブルーベリーウィズソイ」や「ワイルドブルーベリー」もオッケー。しかし、「マフィンウィズソイ」や「ウィズソイ」だけだと、やっぱりダメ。いくら何でも、それは横着って感じかな。ただ、ウィンドー越しに指さして、これこれ、って感じのジェスチャーをすれば、どんなに省略しても結局大丈夫でした。以上、どうでもいいような、体験レポートでした。