卒業おめでとう
本当は、この日記は、卒業式の前に更新しておきたかったのだけれども、ちょっと忙しくて遅くなってしまった。ごめんなさい。それにしても、土曜日の追いコンは、素晴らしかったね。幹事長の雲井君、ホンモノみたいな応援団を務めた木村君、校歌を歌っていてもノリノリでひざで調子をとっていた望月さんをはじめ、企画演出した3期生のみなさん、本当にご苦労さまでした。
そして、あらためて、2期生のみなさん、卒業おめでとう。ボクとしても、ゼミ生を社会に送り出すということには大きな感慨があり、ああよかった、これで少し肩の荷が下ろせるというのが率直な感想です。大学のセンセイというのは、研究者であるとともに、もちろん教育者でもあるわけだが、われわれは心理学の専門家でもないし、教職免許をもっているわけでもないし、実は教育者としてはまったくの素人なんだね。だから、自分の教育方針がうまくいっているのかどうかについては、まったくもって自信がない。ボクのゼミでの指導は、ほかの先生たちよりも人に対する基本的な礼儀とか作法とかにまで及んでいて、もしかすると君たちは苦労したと思う。うるさいことを言うオヤジだな、と思っていたとも思う。でも、君たちは、この2年間、その厳しい指導によく耐えてくれたね。みんな、本当にどこへ出しても恥ずかしくない社会人として成長したのではないか、と思う。
追いコンの場で言ったことだけど、記録に残しておくために、ここに書いておくね。第一に、いつでも個性を大切にね。君たちはいままだ紺色のスーツが似合わないが、それはとっても素敵なことなんだよ。大人になることは、画一的なものの考え方をすることでもなければ、人と同じような生き方をすることでもない。自分の考え方や生き方を確立することが、大人になることなんだからね。いつか、自分に似合うスーツを自分でみつけることができるといいね。
第二に、あまり過去を振り返ってはいけない。ゼミの時代はよかったなどと感傷的に思うことは、今の自分、今の生活を大切にしていないという証拠だからね。ゼミに遊びに来てくれるのはいつでも歓迎するけど、帰ってくるというのではなく、自分の新しい生活をわれわれに紹介してくれたり、われわれを知らない世界へ導いてくれたり、そういう前向きな気持ちでゼミを訪れてね。
第三に、絶対に、ボクより先に死んではダメだよ。この世の流れには、順番というものがある。一期生の木下君たちが卒業して、君たちが卒業して、今度は雲井君たちが卒業して、そして・・・というように、動いていく。その摂理に逆らうようなことがあってはならない。それに、君たちには、そろって、ボクの葬式で校歌を歌ってもらわなければならないんだからね。
最後に、とても素晴らしいプレゼントをたくさんもらってありがとう。サイン入り色紙、ボールペン、ちょいわるオヤジのバスローブ、村上春樹のクックブック、吉永小百合写真集。みんな大切にします。