メガネの選び方
みなさん、メガネフレームをどのようにして選んでますか?
藪から棒にそんな質問をしたら、「あんた、ナニゆーてんねん、そんなの、眼鏡店で試着して、似合うかどうか見て選ぶに決まってるやろ」(←なぜか関西弁)という答えが返ってきそうである。しかし、話しはそう簡単ではないんですね。もう、お気づきのことと思いますが、この質問には「メビウスの輪」みたいなネジレがある。上のような答えを即座に返してくる人は、メガネを必要としない、視力のよい人ではないかな。だって、そうでしょう、もし視力が悪かったら、試着したメガネが似合っているかどうかさえ、本人には見えないはずなんだからね。視力のよい人がサングラスやファッショングラスを選ぶのであれば、何の問題もない。しかし、視力の悪い人が自分に必要なメガネを選ぶときには、何らかの仕掛けがいるのです。
で、オプションは三つ。ひとつは、目をできる限り細くして視力を最大化し、なんとか無難にメガネ選択を乗り切ろうという方法。ボクのみるところ、中年以上の方を中心として世の中の半分ぐらいの人が、この方法を採用している。しかし、ボクに言わせれば、このメガネ選びは必ず失敗する・・・というか、絶対後悔すると思う。第一に、ですね、この方法によるとメガネを選ぶときは、目をホソークホソークしようとしているわけでしょう?ということは、もうその時点で、その人の素顔ではない顔になっているわけですね。目を細くしようとすると口がとんがるようにもなるし・・・だから、そんな歪んだ顔に似合うメガネが、目を細めないときの素顔に似合うメガネであることはありえない。第二に、このような方法では、メガネと顔のフィットは判断できても、身体全体のバランスとか服装とかとの兼ね合いを判断することがむずかしい。第三に、そんな窮屈な顔をしてメガネ選びをしていると、必ず顔の筋肉が疲れてくる。で、疲れてきて、「この辺でいいか」と妥協してしまう。妥協は後悔の母ですからねえ。
では二つめのオプションは何かというと、自分で選べないから、他人の感覚を頼りにしようとする方法。ま、恋人や家族の人を一緒に連れて行って、「これ、どう?」って聞くパターンですね。若い人を中心にして世の中の3割ぐらいの人がこれをやっているけど、ボクの意見では、この方法もやめた方がよい。これはですね、はっきりいって喧嘩のもとです。メガネを選ぶのは、服などの装飾品を選ぶのとは、全然ワケが違う。メガネは装飾品ではなく必需品なのです。服であれば気に入らなければ着なければすむけど、メガネというのは常時かけていなければならない。だから、他人の意見を聞き入れてメガネを選んでしまい、もしそれが気に入らなかったら、そのカップルや夫婦には、大いなる亀裂が走ることになる。
というわけで、メガネ選びの方法は、最後の第三のオプションしかない、とボクは思っている。それはですね、メガネを選ぶ日には、コンタクトをいれていく、もうこれしかないのです。コンタクトが入っていれば、素顔のままだし、顔とのフィットも身体全体とのバランスも無理なく判断できる。長いこと時間をかけたって、顔の筋肉が疲れることもない。だから、「メガネをかけてる人はコンタクトも併用すべきである」という命題は、ボクの中ではしっかりと確立された一つの「マーフィーの法則」みたいなもんなんだな。ためしに、似合うメガネをかけている人に聞いて御覧なさい。きっとその人は、コンタクトを併用しているから。