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「子守唄としてのボブ・マーリー」仮説

ボクらの息子(現在3ヶ月)は、ボブ・マーリーが大好きである。
(…….と、ボクは思っている。)
ボブ・マーリーの唄をバックに流しながら抱いていると、寝てくれる確率が高い。(……と、ボクには思えてならない。)
ご存知の通り、ボブ・マーリーには、政治色の濃い曲も多い。しかし、ボクのもっているベストアルバム「レジェンド」の1曲目は恋愛ソング、Is This Love、から始まる。そして、ウチの息子は、この曲でダメでも、2曲目のNo Woman No Cryがかかっている間には、たいてい眠りに落ちる。Is This Loveが3分51秒、No Woman No Cryが7分ほどだから、ボブ・マーリーには、たった10分で、ボクらの赤ちゃんを眠りへと導いてくれる効果があることになる。

I wanna love you, and treat you right
I wanna love you, every day and every night
We'll be together, with a roof right over our heads
….. Is this love, is this love, is this love, is this love that I am feeling?

Is This Loveはもちろん男女の唄だけど、この詩は(息子を抱いているボクには)そのまま親が子へ伝えるメッセージとして響いて、ジーンとくる。
で、2曲目のNo Woman No Cryが始まると、プフっと口元が緩んでしまう。
詩をよく読むと、これは、No, Woman, Don’t Cryと、ある女性に向かって「泣くなよ」と慰めている曲なんだけども、最初のNo Woman No Cryがずっと続くところだけを聴いていると、「女がまわりにいなければ、泣かないですむ」という意味の失恋の唄、あたかも男がもうひとりの男を慰めているかのような唄にも聞こえてくる。で、父親であるボクが、まだこれからおそらく沢山恋愛を経験するだろうわが息子にむかって、「女なんてさあ、ホント、面倒だからさ、あんまり、かかわるんじゃないぞ」とでも、言い聞かせているように思えてくるのである。プフっ。
さて、ボブ・マーリーに子守唄効果があるなどというと、「そんなこと、あるもんか」という反論が聞こえてきそうである。現に、ボクのかみさんは、「なに聴かせたって、静かになるんじゃない?」と疑っている。
しかし、ボクには、どうしてもあのレゲイのリズムに、何らかの秘密があるのではないかと思えてならない。レゲイのリズムには、ほかのどの音楽にもくらべて、自然に腰や膝などをつかって身体全体が動くようになる効果がある気がする。ただ単に(クラシックのゆったりとした音楽のように)ゆらゆらと揺れているのでもなく、(ロックのビートのように)早いだけでもなく、なんというのか「行って戻ってくる」ような動きがそこに刻まれている。
などということを考えていたら、ボクの娘が、こんな傑作ビデオがあると教えてくれた。

http://www.youtube.com/watch?v=TVKy7PjDutM

これみちゃったら、ボブ・マーリーの子守唄効果を否定することは、もう一発で絶対できなくなると思うね。