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Chuck LorreとChristopher Lloyd

ボクが、チャック・ロアーという人がいる、と知ったのは、Big Bang Theoryというコメディを見ていたときであった。ボクは、このCBS系列のシリーズが、いま大のお気に入りである。Seinfeldなきあと、そしてFriendsなきあと、いま最先端のコメディだと思う。この間北米に出張した際、二つもDVDを買ってしまった。主人公の一人シェルデンのセリフは、どれも抱腹絶倒するものばかりだが、その一方で、いやーよく考えられているなあ、と感心してしまう。インテリジェンスがみなぎったコメディである。そう、リック・ペリーとか、ミシェル・バックマンとかには、絶対に通じないユーモアになっていると思う(でも、ニュート・ギングリッヂには通じるかも)。
で、このシリーズのプロデューサーがチャック・ロアーなのである。どこかで見る名前だな、と思ったら、チャーリー・シーンが物議をかもして降ろされたコメディTwo and a Half Manのプロデューサーでもあった。こちらのシリーズは、ジョン・ステイモスが新たに主人公に決まって、新しいシーズンがスタートした、ときいていた。で、これも、先日北米に出張した際、この新シーズンの第一話を見る機会に恵まれた。大ヒットだった前作の二番煎じになって質が低下するのではないか、と思いきや、とんでもない。すくなくとも、この第一話を見る限りは、期待できる内容となっていた。というわけで、あらためて、ロアーの才能をひしひしと思い知らされたのであった。
Christopher Lloydの方は、もともとFraiserのプロデューサーとして名前を知っていた。ボクは、しばらくの間、この方は映画バック・トゥー・ザ・フューチャーの「ドック」役の俳優さんと同一人物とばかり思い込んでいた。ところが、実は同姓同名なだけで、違うひとなのだ、ということを最近になって知った。
さて、この方の最近のヒット作はModern Familyである。これも、いやはや、実に面白いコメディである。歳の離れたメキシコ人の女性(連れ子あり)と結婚した中年男性。その男性の息子とやり手の奥さんの間に3人のこまっしゃくれた子供がいる。そして、その奥さんの男兄弟がゲイで、パートナーと一緒にベトナム出身の娘を引き取って育てている。この三つの家庭が舞台となって、話が展開する。現代アメリカの家族形態の諸相を鋭く捉えており、こちらもインテリジェンスに満ちている(モルモン教徒のミット・ロムニーやジョン・ハンツマンには、通じないだろうけど)。
いやー、やっぱりアメリカのコメディは、裾野が広いし、才能を感じさせるものが多い。そして、俳優さんたちが、みんなうまい。もしボクがアメリカで生まれていたら、きっとそういう道をめざしていたと思う。