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旅の衣はダウンジャケット

2月の末が締め切りの原稿を抱えている。
実は、2つも抱えている。
まったくはかどらないので、いろいろ気分転換をしてみた。
まずは、歌舞伎座へ。お目当ての出し物は、吉右衛門の勧進帳であった。
前半、活気あふれるというよりは、落ち着いた弁慶がたんたんと演じられていた。
が、ひとつの見せ場である、巻物の中味を覗かれそうになりさっと身をかわすところで、静が動に切り替わる。そしたら、「播磨屋ア」と一声、自分でも思いがけず出てしまった。隣に座っていた方(中年の女性)は、一瞬席から飛び上がるほど、驚いていた。ごめんなさい。
菊五郎の富樫が凛々しくて、よかった。涙を振り払うかのようにさっと上を向き、引き下がる場面。ま、一度驚かしちゃったから、まいっか、という感じで、ここでまた、「音羽屋ア」とかけた。いや、ホント、声をかけたくなるくらい、情がこもって素晴らしかったです。
次の日。京都へ。
旅の~ 衣は~ すずかけの~~、ではなく、ブルーのダウンジャケット。
まったく普段着のまま、下着と靴下の替えと、パソコンだけをもっていった。
京都でのお目当ては、前回フェアジョン先生と行ったレストランOgawa。ホテルのコンシェルジェに「また来ました。いちばん遅い時間に、カウンター席を予約してください」と頼んだら、その場で電話してくれて、8時半に来てくださいということだった。
それで、それまで、じっくり原稿と格闘する時間ができた。
うん、格闘したけど、仕上がったわけではないです。
うん、まったく・・・。
さて、時間通り、8時半にレストランを訪れると、シェフ自らお出迎えしてくれた。挨拶を交わし、おまかせで9品のディナーを頼みました。牡蠣、河豚のお刺身、シラス(宍道湖産)のから揚げ、イベリコ豚のサラダ、などなど。最後は、鴨肉。長ネギがのって、ソースはバルサミコと(京都の)赤味噌を混ぜたソースでした。どれもが本当に絶品ばかり。ああ、来てよかった。もう感動しまくりでした。
若いお弟子さんたちが、ボクのことを覚えていてくれたのもとても嬉しかった。一人客なので、シェフがボクの相手をできないときは、そのお弟子さんたちが入れ替わり、会話を途切れさせないようにしてくれた。この辺、すごく教育が行き届いているなあ、と感心した。
一泊して、すぐ東京に帰って、その夜は、毎週恒例のテニスに参加。
相変わらず、自分から下手な仕掛けをしてペースを崩すという悪い癖がでて、コーチのO君は苦い顔をしていた。しかし、それでもダブルスで、M君夫妻に6-4で勝った。ちょっと嬉しかった。
・・・というように、論文を書くため、いろいろジタバタしてみた。
うん、ジタバタしたけど、仕上がったわけではないです。
うん、まったく・・・。